2013-12

2013-12-03 

久しぶりに最近聴いてる音楽の話でも。

Smash Into Pieces - Unbrekable
Loud & Metal Maniaでかなりの好演を見せつけたスウェーデンのバンド。ポストグランジとか言われているけど、ガッツリ弾き倒すギターソロやヘヴィリフ、ゴシックに通じるシンセアレンジは普通にメタル。意外とFive Finger Death Punchっぽい。こういうバンドをメタルの文脈で語らないのは勿体ないにもほどがある。
物凄い個性的な楽曲かと言うと微妙だが、演奏力と歌唱力はかなり高いのでそれで帳消しということで。また第一弾MVとなったアップテンポナンバーのColder、もっともシンセアレンジが冴えたHeroes (As We Are)、少々捻ったリフから展開するI Want You To Knowなどは十分印象的。
Charlie Parra del Riego - Games, Organic I
Youtubeでゲーム音楽やアニソンをメタルアレンジしたり、国歌をメタルアレンジしたりしていた激テク面白ペルー人ギタリストの作品。購入はbandcampかiTunesで。(最近CDも出した模様)
楽曲はとにかく日本人の好みに合いそうな適度な叙情性を持ったメロディアスなメタルナンバーで(基本インスト)、これは彼がゲーム音楽に影響を受けている事に加えて、比較的陽性な(というか素朴な?)ペルーの民族音楽のバックグラウンドと基本的に陰性なメタルが融合した結果、ネガとポジの間で揺れ動くロマンティシズムが生まれているのではないかと分析。
とりあえずDiablox9 Themeを聴けば俺の言いたいことがわかると思う。
どうでもいいけどこの人の使ってるギター、俺も同じのを(俺のは無改造だが)持ってるんだよな。アウトレットなら2万円ちょいの安物だが、改造と調整、あとは本人のテクニック次第というのがよくわかる。
Amogh Symphony - Abolishing The Obsolete Sytem Platinum Edition
インドの超絶マルチプレーヤーVishal J.Singhのソロプロジェクトの1stに追加トラックを沢山付けた再販盤。物理媒体は廃盤だったそうが、このプラチナムエディションはbandcampで普通に売ってた。(やっぱ時代はダウンロード販売&ストリーミングだな。)
とにかく、すごい。テクニカル、サイバー、ジャジー、トライバル、プログレッシブ、アバンギャルド。個々の瞬間のメロディやサウンドは洗練されてかつ聴きやすい物が多く、一方で恐るべきブルータリティを見せる瞬間もあり、近年のエクストリームメタルからフラメンコまで縦横無尽に行き来するその楽曲の構成はその正体を容易に掴ませない。
もっともここまでハイブロウな音楽を1時間以上聴き続けると流石に疲れるので、プラチナムエディションは通常のトラックとボーナストラックに分けて聴いた方が良さげ。各々30分ちょいでちょうどいい塩梅。
これは2ndも聴かねばならんだろうし、制作中らしい3rdアルバムにも期待が高まる。

そういやPeripheryの新作は最初のアナウンスでは今年だったが、これはまあ来年だろうな。あと今の今まで忘れていたが、WintersunのTime IIも来年だろう。(Time Iはそんな悪くなかったが、あれだけじゃちと消化不良。)

2013-12-04 

Catyプロジェクトではいろいろな知見を得られているが、その中の一つはFitnessは結局ダメだったということだ。Catyで使っているCaty FITはFitnessそのものではないが、より使いやすい物になっているという自負はある。それでも最終的にはダメになって、その理由は以下の通り。

このような条件下で確実にFITを書かせるには、バグ修正にしろ機能追加にしろFITでテスト可能な領域へのコミットには新たなFITを必須とし、違反者のケツの穴に加熱したハンダごてを突っ込むという刑罰を科すしかない。つまり無理だ。

結局今はCatyに新しく加わったassertを用い、スキーマ自体にテストコードを埋め込むことにしている。こちらはCatyシェルから実行できる上にREPLの履歴をコピペ修正して新たなテスト項目を作ることができる。これはREPLで作業しているとテストコードを書かなくなりがちという問題に一つの解答を示していると思う。

2013-12-05 

特定秘密保護法案の影でこういうのをしれっと通してくるか。散々言われていることだが、こんなもん成立したら貧困層の固定化が一層進むだろう。また貧困に陥るまでの過程に親族との問題がある場合、そこで扶養義務を強化されたらさらなる問題に発展しかねないだろう。現行制度でもDV被害者に加害者の元に行けというような事例があるので、これは絵空事などではない。

そういった個人レベルで全部やろうとするとトラブルになるようなものは公共の福祉でどうにかせねばならんという基本的な話なのだが。


究極的にいえば政治家が実際にせねばらなん事は利益・不利益の集中を避けて国民の生活水準が向上するよう調整することで、つまり

この二つ。後者もセーフティネットの設置と社会階層の固定化の回避により経済活動へのインセンティブを与えることで前者に利するものでもあるので、極論かもしれんが(人権の保護以外には)持続的な経済成長を助ける事こそが政治家のやるべき一つの事だといえる。あるいは持続的な成長のためには必然的に再分配政策もそれなりに入り込んでくるとした方がいいか。

ということに思い至ればマクロ経済政策と社会福祉は政治家が絶対に知っておかねばならん事だが、与野党ともにどちらかが致命的に欠落しているか、どちらも欠落しているかのどちらかが多い。どちらも備えている議員は大抵非主流派。どうしたものか。


最近読んでいる「国家はなぜ衰退するのか」では、封建制度から独裁政権、共産主義などの権利が広く行き渡らない政治制度及び経済制度はイノベーションへのインセンティブを致命的に損なうため、長期にわたった成長ができずに国家が衰退・破綻するという主張がなされている。なのでそういった政治経済の体制などは一時的には強権的な産業政策などで高い成長率を示すかもしれないが、本質的には行き詰まるのだそう。旧ソ連などもその類例だと。

ちなみにこの本、ジャレド・ダイヤモンドをかなり批判しているのでその点も結構面白い。確かにダイヤモンドは環境要因を重視しすぎる悪癖があり、特に現代の状況においては環境決定論的な主張は明確に間違いと言えるだろう。もっともこの点に付いては「文明崩壊」でのダイヤモンドの主張は政治体制を崩壊の主要因の一つに挙げるなど、むしろこの本の主張にやや近いところがある。

一方でこの本の著者達はやや論点を見誤っていると感じる部分がないではなく、ダイヤモンドの真意はなぜユーラシア大陸の人間が南北アメリカを征服したのか、なぜオーストラリアのアボリジニがヨーロッパを征服しなかったのか、なぜ中国は早くに統一されたのにヨーロッパ諸国はそうでなかったのかといったあたりにあり、それらに環境要因がまったく絡まないというのはあまり考えられない。

歴史を何度か繰り返せばローマ帝国が今日まで君臨するのかもしれないし、ヴァイキングとアメリカ先住民の連合軍が世界の覇権を握るかもしれないし、中国が中世において停滞せずに発展しつづけるかもしれない。でもマヤ帝国の軍勢がイギリスを征服するような歴史はまず現れないだろう、ということ。


新曲のデモ。今度はラフなドゥームメタル系サウンドなんだけどキャッチーというのを目指した。まあ、例によってどこからの影響なのか丸わかりだが。

2013-12-06 

Catyで使っているJSONを拡張した言語であるXJSONのライブラリ。まだドキュメント書いてない。(書く気がないとも言う。) あと動かすのにtopdownライブラリが必要だが、testディレクトリに最新版を同梱してしまっているのでまあ。構文は同じtestディレクトリの*.xjsonを見れば、まあ大体わかると思う。

2013-12-07 

特定秘密保護法案にしろ生活保護の改悪にしろ、「自民に入れるからこうなる」みたいな事をぬかしている連中は一体何様のつもりなのだろうか。その反自民勢力が最大の課題である経済問題について無策どころか害悪ですらあった上に小党乱立で票が分散してそんで負けたんだろう。何度でも書くが、反自民が救いようのないバカだから負けたんだ。一冊でもまともな経済学の本を読んどけばあんなバカな事は主張しないだろうに。特に野田元首相のバカさ加減は万死に値すると言って良い。

その野田のマザーファッカーをマスコミは「決められる政治」などと持ち上げていたが、その決められる政治が一連のコレだってのがわかってないのか。この点に付いてはマスコミの罪も極めて重い。


まあ、その、あれだ、またデモ段階だが、一応まあ概ねできたので。ゴシックドゥーム系、というかまたParadise Lost系。俺どんだけParadise Lostから影響受けてんだろう……。

ちなみに曲の頭のサウンドは、ギターのボディをぶっ叩いて出している。深く歪ませてさらにリバーブを深くかけると、こんな感じのサウンドになる。

2013-12-14 

ストレートでハイスピードなデスメタルを書いた。歌詞もできているが、ひとまず演奏だけ。あとここ一週間ぐらい全然日記を書いていなかったのは、まあぶっちゃけ曲作りと練習と録音に時間を割きまくっていたため。他にも何曲か書いているのだが、まあなかなか納得のいくものに仕上げるのは難しい。曲を書くだけならそんなに大変じゃないんだけどなあ。

いやこれ本当に勘違いしている人が物凄く多いんだけど、作曲って作業の難度としてはそんなに高くない。ってか曲を書くだけならどんなアホでもできる。難しいのは良い曲を書くことで、これはもう良い仕事をするのは難しいという一般論に落とし込んでさほど問題はないと思う。

2013-12-16 

未だに俺の目にする範囲でもBitcoinに可能性を見出している連中がいるが、どうみてもダメだろう、これは。

以上の二点で全然ダメといって良いと思うのだが、持ち上げてる連中はこの点どう見てんだろう。前者はまあそれがある意味でこの手の仮想通貨の目的なんでいいとして(ウォトカとタバコとコニャックとかな)、後者はどうにもならんだろう。

Bitcoin支持者はインフレが起こらないことを利点に上げるかもしれんが、一方でデフレの問題を無視するのはあまりに危険で、BitcoinのFAQのデフレ経済モデルにはもう卒倒する他ない。デフレ環境下ではそもそも貨幣の退蔵が問題だってのに。ってかFAQに書いてある事って事実上のデノミをやれといってるものだと思うが、デフレ環境下でのデノミって前例があったかな。俺の知ってるのは全部インフレ環境下(それもハイパーインフレ)の奴だけなんだが。

ってか常識的に考えれば、Bitcoinの流通量の上限が固定されているという事の意味はある日を境に日銀がお金を作らなくなって日常でも銭単位での買い物ができるようになったらどうなるかという思考実験をすればわかると思う。


もう少し簡単に考えれば、絶対にデフレになるのでアーリーアダプターが極めて有利ということで参入を煽っているが、一方である程度経ってからの新規参入者には旨みがないのであれば、いずれ新規参入者は途絶えるだろうという事。そして新規参入者を阻害する制度が長期的に上手く行った試しはない。なので支配的な通貨の座につくのは極めて難しい。

最近他にも仮想通貨が出ているようだが、信用とデフレの問題をどうにかしない限りはゼロサムゲームな投機対象に一時的になって終わって後には何も残らないんじゃないかね。

2013-12-18 

前にも書いたが、俺は重要な事だと思っているので再度書く。コンピュータープログラミングに対するハードルは年々下がってきていると感じるし、おそらく料理や大工仕事のように専門のプロフェッショナルがいる一方で日々のタスクとしてのそれが存在するという状況に相当な部分で既になっている。少なくともスプレッドシートで何かしらの集計処理を行うのは立派なプログラミングだろうし、その背景には抽象的なイメージの操作とその言語化が介在している。

とどのつまりはプログラミングというのは抽象的な思考とそのアウトプットの事であり、抽象化というのはある概念・事象などの些事を切り捨てて本質を見出す事であり、知的労働をはじめ各種の場面で抽象化と自分の思考過程の言語化能力が持つ意味合い、またそのような素養を備えた人間の増大が社会にどのような正のインパクトを与えるのかと考えれば、プログラミングという行為をより広範に広める意義はあると思う。言い方を変えると取っ付き易い数学のようなものだ。(数学のようなより基礎的分野へ注力すべしという考え方もあるし、それはそれで支持できる。あとそもそも文章の書き方みたいなもっと基礎的なリテラシーとか。まあその辺は別の議論か。)

最近アメリカでオバマ大統領が行った演説はもうちょっと即物的というか直接的な実利主義的なものだったようだが、俺は総論としては賛成ではある。あとPythonのComputer Programming For Everybodyという試みがどうなったのかはちと詳しくないが、やはり世界はその方向に行くべきに思える。

2013-12-19 

「国家はなぜ衰退するのか」を読み終えた。上巻の感想は前に書いた通りだが、下巻も読み応えは十分。

しかし改めて考えると民主主義と資本主義(というか市場)を人類が手に入れたのは本当に奇跡的だ。国家が国家として成り立つには暴力の独占が必要なのは知っての通りで、そのためには高度に中央集権的な制度になっている必要がある。しかしその権力が一部の人間にしか与えられなければ政治制度及び経済は非常に収奪的になる、というかデフォルトで人間は収奪的なもので、様々な偶然があった結果異なった立場の人たちが力を得ることで権力と機会の均等化がなされ、結果として包括的な政治と経済が生まれ、それこそが国家を長期にわたって繁栄させるために必須な生活水準の向上(=経済成長)を促すイノヴェーションへのインセンティヴを与えるという。この論旨は非常に明瞭で、その点については異存はない。

一方で前に書いた通り初期段階での環境要因の軽視にはやや首を傾げるところがあり、歴史を何度か繰り替えしたとして、ペルーのインカ帝国がコンキスタドールを撃退するケース、逆にインカ帝国がヨーロッパに侵攻するケースといったものがありうるかを考えると、これはちとまた調べないといけないことだが、当時の気候と収穫可能な穀物、使用可能な家畜の数と種類、その他資源などに左右されるだろう。過去に南北アメリカなどで包括的な政治と経済が発展する可能性はあったといわれると多分そうだと思うが、それが世界に広がる機会という点ではユーラシア大陸よりも幾分条件が悪いように思える。

いずれにせよ今日の近代化された社会においては環境要因はあまり重要ではないのは間違いなく、重要なのは政治及び経済の制度設計であり、権利や機会の均等化ということになる。その観点からは、現在の自民党政権は社会階層の固定化を指向しているように思え、それは政治及び経済の収奪性を高める亡国の政策ではないかと感じる。もちろん既存の包括的な制度には正のフィードバックループがあるので即座に酷いことにはならないとは予想するが、一方で改憲のハードルを下げようという動きが成就するとすべてをご破算にしてしまう可能性があるだろう。憲法を良いように書き換えることで収奪的な制度を維持してきた南米の歴史がそれを物語っている。

視点を変えると本書もまたインセンティヴデザインの重要性についての本であるとも言える。独裁政権などを初め収奪的な政治制度及び経済では権力の座に固執することに強いインセンティヴがあるので、誰もがその座を目指してしまう。革命やクーデターで権力者が交代しても、多様な立場の人間の利害関係を代表していない組織によるものであった場合、自分たちに利益を集中させる事ができてしまう。一方でより多元主義的な状況においては、常に権力者には監視とプレッシャーがかかるため好き放題できず、権力の座に固執する事へのインセンティヴは収奪的な制度のものよりも遥に少ない。

またメディアの重要性も指摘されているが、官報複合体の要素の強い日本はこの点でやや問題がある。自由報道協会はそんな現状への反発から生まれたはずだが、これだったら記者クラブで官僚とズブズブな既存メディアの方がマシというレベルのゴミ集団になってしまった。あとこれは既存のマスメディアの体質的な問題というか、ジェネラリスト重視でスペシャリスト不在なため科学や経済など専門的な知見を噛み砕かねばならん状況でまったく役に立たない。これもまた新聞社などの人事制度がスペシャリストの育成や専門的な知識を持った新人を採用するインセンティヴを与えていない事の現れだろう。

というわけで瑣末な部分で疑問に思うことはあったが、総論としては本書の論旨には納得できる。かなりおすすめ。

2013-12-22 

もう相当前から有罪無罪以前の問題であったが、未だにこれか。なんというか、本当にこの事件は日本の司法のダメなところがバンバン掘り起こされるな。ってかこんな状況だから日米地位協定の見直しというか、米軍の犯罪者の身柄引き渡しにも悪影響が出てんだよ。

そんで初公判は来年2月だそうで、これも長期化したらより酷い事になるよな。そもそも検察がまともな証拠をさらに積み上げられるのかが問題というか、現時点では直接的な証拠に乏しいのでねえといった印象しかない。

2013-12-24 

前に晒した曲にヴォーカル入れた。といってもまだデモ段階なので出来はなんつーか、とりあえず入れた程度のものだが。しばらくグロウルを使っていなかったんで、まあやり方を思い出す意味合いもあった。

それで改めて思ったが、明らかに俺の叫び方は喉を痛めるタイプのやり方なので、多分グロウルのやり方を根本的に間違えている。実際のところ喉を潰すような歌い方=無駄に力んで喉だけで歌っているような状態なので、まともなグロウルは結局のところ基本的な歌唱テクニックの延長線上にあるといっていい。問題は普通の歌唱からグロウルへの繋げ方で、ここがまだ試行錯誤(主に錯誤)状態というか。

あと根本的に俺は声質が軽いので、そもそもデスメタル系のグロウルに向いていないという気がしなくもない。今回晒した奴もEQで高域をバッサリカット&200Hz付近を軽くブーストして、さらにディストーションをかけてこれなのでねえ。まあこのぐらいの声の方が極端なグロウルに慣れてない人が聴きやすいっちゃそうかもしれんので、一概に悪いとは言い切れんか。でも重心を下げたバッキングに混ざりにくい気がするんだよなあ。デスメタルなんであんまヴォーカルが抜けてほしくないというか。まあこの辺はミックス次第か。

2013-12-29 

今年は少し経済学を勉強した年だったが、そんな中で思ったことを(纏まりきっていないが)いくつか。

結局のところ経済成長(=生活水準の向上)を如何にして実現するかはインセンティブデザインの話になるのだが、極めてマクロな制度設計の観点からは広く権利と機会を分配した政治及び経済制度でなければ経済成長のためのインセンティブには繋がらない。だとすればネオリベ的な発想はそれに反する部分があるし、また階級の固定化上等と言わんばかりのここ最近打ち出されつつある日本の教育政策はかなりマズい。

またこれは「国家はなぜ衰退するのか」でもっと重点的に扱ってほしい部分でもあったが、政教分離と政治制度の包括性の関係はもっと突き詰めた方が良いのではないか。宗教というか信仰というのはその教義を道徳概念の最上位に位置付ける故、多元主義ひいては民主主義とは致命的に食い合わせが悪いように思える。だから信教の自由は人権として認められて然るべきだが(そうでなければ多元主義ではないし民主的ではない)、一方でその宗教的信条に基づいた集団が政治活動を大っぴらに行うことはマズいわけだ。この辺はキリスト右派によるポーランドでの妊娠中絶の非合法化への働きかけやアフリカ諸国での反同性愛プロパガンダを考えると分かりやすい。世の中には「神様が見ていると考えれば悪さはできない」と考えるお花畑のアホ脳がいるが、「神様が許したので殺す」も同様に成り立つ事は忘れてはならんだろう。

そして信仰を同じくする集団というのが必然的に収奪的なものになるとすれば、極右民族主義(これも信仰の一形態だろう)に走り出している日本はやはりこの面でも相当マズい方面に向かっているといえる。そして問題はその旗を振ってる安倍首相以外の有力な政治家にマクロ経済政策を理解している人物が見当たらない事で、実際のところその安倍首相も金融政策以外全部ダメで、現状ですべきは金融緩和と財政出動なのだが、例えばその財政出動で確実に金を使ってもらえるはずの生活保護の縮小に走っているのだから見通しは暗めだ。

それにしてもアレだ、安倍首相はもうちょっと堪え性があるかと思ったが、参院選の結果で自信をつけたら早速これか。ちゃんとデフレ脱却して成長率を回復させて(できれば財務省の解体と日銀法改正もやって)、そこから極右民族主義を打ち出したというならそこで降ろせばいいのだが。またこの現状は擬似科学と歴史修正主義とシバキ上げに染まっているバカでも理解できることを理解できない政治家が極めて多いことを意味し、安倍以降はさらに祿でもないことになる可能性は大いにある。


余計に議論が発散するのでメモ書きに留めておくが、多分信仰は他者への働きかけのようなものは後押しするが、純粋に自己完結した活動にはあまり寄与しないのではと思う。もしもそうでなかったらキリスト教徒は自殺しない傾向になるが、キリスト教圏で自殺者数が高い/高かった国としてはスウェーデンなどがあるし、そこで自殺者数の引き下げに繋がったのは宗教とは関係のない政策だったはず。

もっといえば犯罪の発生率にしたって犯罪のリスク/ベネフィット計算によるところがあるだろうし、つまり犯罪行為に手を染めるインセンティブがどれだけあるのかという話になる。今のところ日本は相当治安がいいが、景気の回復がさらに遅れてタダでさえザルなセーフティネットがさらに弱体化したら治安が極めて悪化する可能性は大いにあるといえる。